2021年10月に新発売されたGR86。
手の届きやすい価格のFRスポーツカーということで、サーキットやジムカーナなどで見かける機会も多くなってきました。
大人気のGR86ですが、「ノーマルのエンジンでも、スポーツ走行をするとエンジンブローする」という話がSNS上で話題になりました。
僕も含めスポーツ走行したい人にとっては、当然いい話ではありませんよね。
そこで今回は、GR86がスポーツ走行中にエンジンブローする原因と対策について解説していきます。
GR86でスポーツ走行したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
GR86エンジンブローの原因

エンジンブローの真の原因は、まだ確実なことは言えません。
しかし2023年7月現在、GR86がスポーツ走行中にエンジンブローする原因として、以下の2つが有力な説とされています。
- 液体ガスケットがオイルストレーナーに詰まって、エンジンオイルが供給できなくなる説
- コーナリング時の横Gの影響でエンジンオイルが偏り、オイルポンプから吸えなくなる説
2つの原因の概要を簡単に解説します。
液体ガスケットがオイルストレーナーに詰まる
GR86のエンジンは、組み立て時に液体ガスケット(液体パッキン)が使われています。
「液体ガスケットの量が多すぎて剥がれ落ちてしまい、オイルストレーナーに詰まってしまうのではないか」と言われています。
オイルストレーナーが詰まってしまうと、エンジンオイルを供給できません。
そうなるとエンジンが焼き付きを起こしてしまい、エンジンブローに繋がります。
実際に、液体ガスケットの量を調査している記事や動画もたくさんあるので、気になる方は調べてみてください。
コーナリング時の横Gの影響でエンジンオイルが偏る
スポーツ走行のコーナリングでは、大きな横Gがかかります。
「強い横Gの影響で、オイルパン内のエンジンオイルが偏ってしまい、うまくオイルを吸い上げられないのではないか」というのが2つ目の説です。
オイルを吸い上げられないということは、オイルを供給できないので、エンジンブローの原因となりえます。
エンジンブローを防ぐ対策

エンジンブローを防ぐ対策が3つあるので、解説します。
しかし、100%エンジンブローを防げるとは限らないので、ご注意ください。
油圧計を取り付ける
1つ目の対策は、油圧系を取り付けることです。
GR86は純正状態でも水温と油温は確認可能ですが、油圧は追加で取り付けなければ見れません。
油圧計を取り付ければ、油圧の低下にすぐ気付くことができます。
もし走行中に油圧が異常な低下を見せた場合は、すぐに走行を中止しましょう。
バッフルプレートを装着する
2つ目の対策は、バッフルプレートの取り付けです。
バッフルプレートとは、オイルパンの内部に取り付ける部品で、オイルパン内でオイルの偏りを防ぐための仕切り板の役割を果たします。
バッフルプレートの取り付けにより、コーナリング時の横Gを受けてもオイルの偏りを無くすことが可能です。
少し硬めのエンジンオイルを入れる
3つ目の対策は、少し硬めのエンジンオイルを入れることです。
GR86の純正指定のエンジンオイルは0W-20ですが、スポーツ走行をするのであればもう少し硬めのエンジンオイルを入れましょう。
なぜ硬めがいいのかというと、純正指定の硬さだとサラサラすぎて、油膜を保持できなくなってしまうからです。
油膜が保持できないと、エンジンブローの原因となりかねないので、純正指定よりも少し硬めのオイルを入れることをおすすめします。
【注意】スポーツ走行での故障は基本的に保証対象外

上記の写真はTOYOTA GAZOO RACING公式ページの写真ですが、「特別な条件での使用は保証対象外」と記載があります。
海外では保証で修理してもらえた例もあるようですが、国内では保証の期待ができません。
「保険で直せばいいのでは?」と思われた方もいるかもしれませんが、サーキット走行中の故障は保険が使えない場合がほとんどです。
安心してサーキット走行ができるように、トヨタから正式なエンジンブローの原因と対策が発表されることを願うばかりです。
まとめ

今回は、GR86がスポーツ走行中にエンジンブローする原因と対策について解説しました。
まだ正確な原因は分かっていませんが、エンジンオイルの供給不足によりブローしている可能性が高そうです。
エンジンブローを防ぐ対策としては以下の3つです。
- 油圧計を取り付ける
- バッフルプレートを装着する
- 少し硬めのエンジンオイルを入れる
GR86でスポーツ走行したい方は、試してみてください。
また、走行中に異変を感じたらすぐに走行を中止して、整備工場などで見てもらいましょう。
サーキット走行の準備について、別記事にて解説していますので、こちらも合わせて確認してみてください。
