「うっかり車をぶつけてしまった」
「飛び石で傷が入ってしまった」
などなど、車に傷やへこみができてしまうことがあります。
大切にしている車に傷やへこみが入ってしまうと、やっぱり気分は良くないものです。
「何とか自分で直せないものか」と思っている方も多いのではないでしょうか。
傷の程度にもよりますが、実は簡単に直せてしまうような傷もあるんです。
そこで今回は、車の傷やへこみを自分で直す方法を解説していきます。
車の傷・へこみの修理を自分で直せるの?

そもそも車の傷やへこみを自分で直すことができるのかどうかですが、軽い傷やへこみであれば、自分で直すことができます。
車の傷の場合

ボディ表面のクリア塗装のみに傷が入っている場合、比較的簡単に直すことが可能です。
ボディを水で濡らしてみて、目立たなくなるような傷はクリア塗装が傷ついているだけなので自分で直せます。
カラー塗装まで傷が入ってしまっている場合でも、完璧に修理するのは難しいですが、目立たなくすることは十分可能です。
クリア塗装のみの補修よりは時間がかかりますが、安く直したいと考えている方は、チャレンジしてみる価値はあります。
ボディの下地が見えてしまっているような深い傷は、自分で直すのは困難です。
修理業者に依頼した方が、無難です。
車のへこみの場合

ボンネットやドアなどの平面部分がへこんでしまった場合は、元に戻せる可能性があります。(大きなへこみはだめです)
バンパーやフェンダーなどの曲面部分のへこみは、小さいへこみであれば完璧に修理するのは難しいですが、目立たなくすることはできます。
平面部分の修理よりも、難易度は高いです。
へこんだ部分に関係なく、へこみが大きい場合は、修理業者に依頼した方が良いです。
車の傷・へこみを治す方法・必要な道具を事例別で解説

ここからは、実際に車の傷・へこみを直す方法を事例別に解説していきます。
①引っかき傷

走行中に飛んできた石や砂などが当たってできた傷や、洗車の際にできてしまう傷です。
表面のクリア層が傷ついているだけなので、コンパウンドで磨くだけできれいになる場合がほとんどです。
必要な道具
- 粒子が荒いコンパウンド
- 粒子が細かいコンパウンド
- きれいなタオル
必要な道具としては、コンパウンド2種類とタオルですが、全部がセットになっている「傷消し道具セット」が販売されているので、そちらを購入して一括でそろえてしまうことをおすすめします。
手順について
- 施工部分と周りの汚れをしっかり落とす
- 粒子が荒いコンパウンドをタオル(クロス)に付けて傷が目立たなくなるまで磨く
- 粒子が細かいコンパウンドでつやが出るまで磨く
- コンパウンドがボディに残らないように水で洗い流す
コツとしては、コンパウンドで磨く際に力を入れすぎないことです。
力を入れすぎてしまうと、逆に傷ついてしまう可能性があります。適度な力で磨くようにしてください。
②擦り傷

縁石や電柱、ガードレールなどで軽く擦ってしまった際にできる傷です。
完璧に修理するのは難しいですが、傷を目立たなくすることはできます。
傷の大きさや、塗装の種類によって必要な道具が変わってくる点は注意が必要です。
必要な道具
- 粒子が荒いコンパウンド
- 粒子が細かいコンパウンド
- きれいなタオル
- シリコンオフ
- マスキングテープ
- プラサフ
- タッチペン(傷の範囲が狭い場合)
- 缶スプレー(傷の範囲が広い場合)
- クリア
タッチペン・缶スプレーに関しては、車の色に合わせたものが必要になります。
こちらのサイトで、ご自身の車の色番号を入力すると、適合する商品を検索することができます。
クリア塗装のスプレーは、メタリック塗装やパール塗装がしてある車で必要になります。
手順について
- 施工部分と周りの汚れをしっかり落とす
- 荒いコンパウンド・細かいコンパウンドを使って消せる傷を消す
- 水でコンパウンドを洗い流してしっかり乾かす
- シリコンオフで脱脂する
- 傷に沿ってマスキングテープを貼る
- プラサフを吹き付けて、塗装の下地を作る
- タッチペン・缶スプレーで塗装して20分程度乾かす
- 塗る・乾かすを3~4回繰り返す
- クリア塗装も同様に塗る・20分程度乾かすを3~4回繰り返す
- マスキングテープを丁寧にはがす
- 完全に乾くまで放置する(1週間程度)
- 粒子が細かいコンパウンドで磨く
- コンパウンドを水でしっかり洗い流す
やはり、塗装が入ってしまうと、手順も多くなってしまいますね。
コツとしては、色を塗る際に2回目までは薄く塗って、3,4回目で厚く塗ることです。
1回できれいに塗ることが難しいため、繰り返し塗ることをおすすめします。
脱脂が甘いと、塗料がうまく付かなかったり、時間が経つと塗装が剥がれてきたりするので、脱脂はしっかり行いましょう。
また、屋外で塗装作業を行う場合は、風が強くない日を選ぶことをおすすめします。
スプレーで塗装する場合は、風の影響で塗料が予想外の方向へ飛んで行ってしまう危険性があるため、気を付けましょう。
③へこみ(傷なし)

雹害などで、ルーフやボンネットによくできるへこみです。
デントリペアという修理方法で直します。
デントリペアも、完璧に修理するのは難しく、目立たなくできる程度と考えておきましょう。
また、バンパーなどの樹脂でできているパーツでは、デントリペアは使えないので、注意してください。
必要な道具
- デントリペアツール
- きれいなタオル
- シリコンオフ
手順について
- 施工部分と周りの汚れをしっかり落とす
- シリコンオフで脱脂する
- へこみの大きさに合わせてタブを選ぶ
- タブの先端にグルーを塗ってへこみに貼り付けて冷めるまで待つ
- コの字型の道具もしくはスライドハンマーを取り付けて引っ張る
- スクレーパーでタブを外す(コの字型の道具を使用した場合はタブが勝手に剥がれます)
- 固まったグルーにシリコンオフを吹き付けて剥がす
- 引っ張って出過ぎた部分をポンチで修正する
- へこみがなくなるまで3~8を繰り返す
コツとしては、タブにグルーを塗ってへこみに張り付けた際に、しっかり冷やすことです。
十分に冷えていない状態で引っ張ろうとすると、ボディからタブが剥がれてしまい、へこんだ部分を引っ張り出すことができません。
④へこみ傷

車同士の事故や、ガードレールや電柱などに強めにぶつかってしまった際にできるのがへこみ傷です。
DIYで修理する際に、一番難易度が高いのがへこみ傷だと思います。
傷の塗装作業に加えて、パテでへこんだ部分を埋めて元の形に戻す工程があります。
必要な道具
- 粒子が荒いコンパウンド
- 粒子が細かいコンパウンド
- 耐水ペーパー
- きれいなタオル
- パテ
- シリコンオフ
- マスキングテープ
- マスキングシート(新聞紙でも代用できます)
- プラサフ
- 缶スプレー
- クリア
缶スプレーに関しては、車の色に合わせたものが必要になります。
こちらのサイトで、ご自身の車の色番号を入力すると、適合する商品を検索することができます。
クリア塗装のスプレーは、メタリック塗装やパール塗装がしてある車で必要になります。
手順について
- 施工部分と周りの汚れをしっかり落とす
- サンドペーパーの荒い目から順番に傷、へこみ周りを磨く
- シリコンオフで脱脂する
- 周りよりも高くなるように傷、へこみ部分にパテを盛って乾かす
- 再びサンドペーパーを使ってボディとパテの段差がなくなるまで磨く
- シリコンオフで脱脂する
- マスキングテープとシートを使って傷、へこみ周りを広めにマスキングする
- プラサフを吹き付けて、塗装の下地を作る
- 缶スプレーで塗装して20分程度乾かす
- 塗る・乾かすを3~4回繰り返す
- クリア塗装も同様に塗る・20分程度乾かすを3~4回繰り返す
- マスキングテープとシートを丁寧にはがす
- 完全に乾くまで放置する(1週間程度)
- 粒子が細かいコンパウンドで磨く
- コンパウンドを水でしっかり洗い流す
パテを盛る際に、平面部分だとまだやりやすいですが、曲面部分は形を整えるのが非常に難しいです。
パテ盛りで形作るというよりは、ペーパーで磨きながら形作ることを意識するといいと思います。
また、脱脂が甘いと、パテや塗料がうまく付かなかったり、時間が経つとパテや塗装が剥がれてきたりするので、脱脂はしっかり行いましょう。
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筆者の傷消し・塗装体験談

ここからは、僕がこれまで行った傷けしと塗装のお話です。
傷消し編


使用した道具 | ホルツ 傷消しセット |
費用 | 600円 |
施工時間 | 10分 |
まずは、傷消しです。
フロントバンパーの右下部分に、傷が入ってしまいました。
サーキット走行後に傷付いたので、石がぶつかったと思われます。
ホルツの傷消しセットを使用して、磨いてみました。
傷消し前と後を比較してみると、若干まだ傷が残っていますが、10分程度でもここまできれいにすることができます。
費用も600円と安いので、個人的には満足です。
塗装編


使用した道具 | ホルツ プラサフホワイト ホルツ マツダ車用赤色スプレー ホルツ クリア |
費用 | 3,600円 |
施工時間 | 60分 |
続いて、塗装です。
ぶつけてしまったわけではないですが、トランクが経年劣化により色褪せしてしまいました。
缶スプレーを使用して、自分で塗装してみました。
塗装直後の写真が無いので、塗装から約1年半が経過した2023年1月時点での写真との比較になりますが、素人の缶スプレー塗装でも、このくらいはきれいにできます。
写真では分かりにくいですが、近くで見ると色むらがあったり、剥がれかかっている部分があったりと、完璧とは言えませんね。
また、色番号を間違えてしまったため、フェンダーやバンパーとは少し色が変わってしまいました。
塗装前と比べるとマシにはなっているので、個人的には満足しています。
まとめ

いかがでしたか?
今回は、傷やへこみを自分で直す方法を解説しました。
完璧に直したいのであればプロにお任せする方が絶対に良いですが、自分で修理してみると、費用は安く抑えられますし、より愛着が湧きます。
時間がある方は、ぜひ挑戦してみてください!